【ベトナム編】ベトナム・カンボジアへの視察を行いました
2025年3月2日から6日にかけてベトナムとカンボジアを訪問し、現地の教育機関および企業への視察を実施しました。今回の視察の目的は、東南アジア諸国における人材育成の現場を自らの目で確かめ、今後の連携や協働の可能性、そして能代山本地域における人材獲得・定着のさらなるヒントを探ることにあります。
この記事では、ベトナム・ホーチミン市における視察内容と、現地で行われている特徴的な取り組みについてご紹介します。
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ベトナムについて
きらびやかなホーチミン市中心地
現在、ベトナムは約1億人の人口を有し、東南アジアの中でも経済成長が著しい国の一つとして注目されています。その一方で、かつて日本への外国人材送り出し国として圧倒的な規模を誇っていたベトナムですが、近年は自国経済の発展や就労環境の改善などを背景に、日本での就労希望者が減少傾向にあります。
こうした変化のなかで、日本国内の人材確保や地域定着を見据えたベトナムとの協働のあり方は、より一層の戦略的な視点が求められています。
SAVINA
SAVINA(http://savina.vn/ja/about-us/)は、現在日本で働いている技能実習生や特定技能人材が、働きながら大学卒業資格を取得できる通信制の大学を運営しています。
SAVINA社とのミーティング
日本語での受講者は約400人、全体で約2,000人の生徒が在籍しています。受講者の多くは、日本での就労を継続・発展させたいという意欲を持ちつつも、大卒資格が求められる壁に直面しており、この教育プログラムがそのニーズに応えています。学部は語学・旅行・文系の3分野が中心ですが、今後は理系学部の展開も視野に入れており、より多様なキャリア形成に対応する体制を検討しています。
人材分野における事業も展開しており、ベトナム国内の大学と連携し、学生の人材紹介に取り組んでいます。教育と人材供給がシームレスに結びついたモデルであり、送り出しの質とマッチング精度の高さが特徴です。
地域へのヒント
特筆すべきは、技能実習・特定技能人材に加え、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」といった中長期的なキャリアパスまでを視野に入れている点です。マネージャー候補となるような経営学系の人材の育成も始まっており、将来的にはベトナム人材のみならず、幅広い国籍の人材への展開も期待できるスキームであると言えます。
特に「技人国」人材は、技能実習や特定技能と比べて就労できる職種の幅が広く、在留期間の上限もないことから、地方における人材定着に向けた有望な選択肢となりえます。優秀な人材が長く地域で働き続けるための制度設計やキャリア支援のあり方として、大きな示唆を与えてくれるものでした。
このように、目の前の人材ニーズだけでなく、外国人材が長く日本で働き、活躍し続けるための持続的な支援体制が構築されつつある点は、非常に示唆に富むものでした。
AMDI MANPOWER
AMDI MANPOWER(https://en.amdimanpower.vn/)は、ベトナムの首都ハノイを拠点とする送り出し機関で、建設、介護、農業、製造業、自動車整備、外食など、幅広い業種に対応した外国人技能実習生や特定技能人材の送り出し事業を展開しています。親会社であるAMDIグループは、教育、コンサルティング、開発など多岐にわたる分野で事業を展開しており、AMDI MANPOWERはその中核を担う人材関連の専門部門です。
なお、能代市役所が以前AMDI社を訪問し生徒の皆さんが日本語を学習する様子を見学しており、同社との協力関係を構築する取り組みを行っておりました。また、能代市内では、すでにAMDI社が送り出した優秀な特定技能人材の皆さんが活躍しており、今後も同社で学んだ外国人の皆様が能代にて就労する予定となっています。
今回の視察では、ホーチミン市内にてAMDIの担当者2名と会談し、今後の具体的な協力関係構築に向けた意見交換を行いました。有意義で前向きな対話の場となり、協力関係を一掃強化することとなりました。
地域へのヒント
地域にとって重要なのは、単に人材を受け入れることではなく、長期的な就労・定着を支える体制を築いていくことです。AMDIのように、優れた人材育成と送り出しを行う、信頼に足る送り出し機関との連携は、地域社会における安定した外国人材の受け入れと共生の実現に向けた実践的な指針を示すものでした。
まとめ
今回のベトナム視察は、地域における人材育成のあり方や国際連携の可能性について深く考える貴重な機会となりました。今後の活動にこの経験を活かし、持続可能な地域社会の実現に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。